長野県佐久市 「澤の花」 蔵訪問記。 一つのブランドで上から下まで同じ気持ちで造る。

長野県佐久市の「澤の花」伴野酒造さんに訪問。全通したばかりの北陸新幹線。 佐久平駅下車、車で15分ばかりのところにある。

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来たのは2回目。前回からはかれこれ8年くらいはたっている。

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まだ昔の仕込み蔵だった頃。

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今は仕込み蔵も移転・新築され、杜氏も常務の伴野さんになったのは知っている。どう蔵が変わったのか楽しみに訪問した。

到着すると伴野さんに迎えていただいた。

事務所に通され、世間話から話が熱を帯びて・・自分の酒造りの根幹を話しだした伴野さん。

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(伴野蔵元)「いつもいろいろ考えています。大部分は酒造りのこと・・

その中でずっと自問自答していたのは「自分は、なぜここにいて酒造りをしているのか?」

ずっともやもやしてたのですが、10年も会ってない同級生が思い出すように寄ってくれたり、

東京で先輩が「どこどこの飲み屋さんで飲んだぞ、置いてあった」とか嬉しそうにいってくれたり、

北海道へいった友人が「雑誌で見た」よと楽しそうに連絡してくれる。

田舎なんで多くの人が出ていってる。その人にとって「地酒」は心の拠り所、誇りになるな〜って。それで気持ちの整理がついたのです

その人達がこれは自分の地元の酒で、地元の米、水で作っていると言えれば、より伝えやすい。

だから出来るだけ長野県の地元産の原料にこだわりたい。

県外産の山田錦でいい酒が出来る!と解っていても自分がそれを使うというのは自分のスタンスとは違うと思う。

同じ年の米農家さんがいて、頑張るっている姿を間近で見て,そんなお米だからこちらも気合いれて造れる!」

伴野さんは昔から「気持ち」を大事にしている蔵元さん。

“「青春」”そんなイメージ。

でもそれが絵空事じゃなくてキチンと形にして結果を出しているのが素晴らしい。

例えば、蔵の構造改革は素早く断行したこと。仕込み蔵に移動してその辺りの話を詳しく聞く。

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(伴野蔵元) 「蔵に戻った時に、そんなに手をかけず原料処理も雑な「地元向けの昔ながらの酒」がほとんどで! ぞれに誇りが持てなかった。

それで県外ブランドを第2銘柄で造ってぞれだけを手を掛ける・・それにもピンとこなかった。

一つのブランドで上から下まで同じ気持ち・クオリティで造る。

だから創業当時からの「澤乃花」が一番しっくりときた。 

蔵元六代目で初めて酒蔵の中(酒造り)に入ったのだから、自分らしく。

それに向けて酒造るを変えて、毎年のように設備投資した・・

7年前には仕込み蔵も移転新築した。

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それで!3年前に、一斉に値上げした局面で、一回火入れの「 澤乃花 花ごころ本醸造」を作って・・昔ながらの普通酒、本醸造を廃止したんですよ♪。

それは地元向けといいながらも・・純米大吟醸や純米吟醸と同じ原料処理(ウッドソンでのバッチ処理=限定給水)したものなんです。」

(それが一回火入れってもしかして瓶貯蔵?と私。)

(伴野蔵元)「そうです。現在は全量瓶貯蔵なんです。」

(それはスゲ〜)

(伴野蔵元)「一貫した酒質で「嘘が無い酒蔵」になれた& とてもスッキリした気分になったんです。」(すごい大事なことだね)

(伴野蔵元)「値段は他社よりも高くなって、社長の父は随分心配したけど・・

その品質を理解してくれる地元や県外の人々が現れて、結果として前よりも数量が伸びたんです。

今季は全国雑誌にも「ダンチュー等 3誌に取り上げられて、在庫切れの心配が出てきたこと。

そんなことで、その酒とか、吟醸ささら は順調に育ったのですが・・

純米酒が「味のターゲットが狭い」という意見があって改良が今年の急務だった。

イメージは綺麗な酒。

今はグルコースが高めのマイナス酒度の甘味あるタイプが流行だけど・・

自分はプラス日本酒度で普通に飲める酒が造りたかったのです。

それで「掛米」はあまり溶けずに綺麗に仕上がる「ふくおこし」を使って、

「今迄に使ってない酵母」に変えて、

今迄の酵母と、それぞれ別に仕込んで、搾った後でブランドするというこちらも「今迄やってない手法」で造り上げたのが!!

ひまり辛口純米」です。」

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(伴野蔵元) 「辛口純米というのも最初は決めてなくて、作っている途中、途中で味を確認して・・メーターを上げていく(辛口にする)ことがいいかなーって!

3月に発売したばかりですが・・いい手ごたえが帰ってきています。」

(名古屋でも飲食店さんでいい手ごたえ、どころか、そこ向けにはスィートスポットにぴったり感でスゴイ反応。辛口で食事の相性は抜群だし、それなり味幅があって酒中心でも楽しめます。

それで余計な味が無いクリア品質で!この後の写真でも見てもらいますが、全国の中でもレベル高い「衛生的な環境」での造りだから・・それが効いてますね。)

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先程の話に出た、高品質酒造りには欠かせない、10kgづつ小分けにしたウッドソンでの米洗い・限定給水。

(伴野蔵元)「自分のところでは、精米はしないので、ここがお米とのファーストコンタクト。非常に大事にしてる工程です。

昨年迄は毎日、5時間かかっていた。

作業効率を考えて、今年は1500kgから1200kgのタンクに全て取り替えて・・1日4時間で米洗い・限定給水を終えるよいにしました。

大変だけど・・こういう丁寧な仕事をして!お酒を造りたいんです。

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あと細かなこだわりをしているのは「搾り機。」

(伴野蔵元) 「この仕込み蔵を建設した時に、以前の古い「ヤブタ」をどうしても変えたかった!

それだけでも何百万もかかる投資で、社長の父は大反対だったけど、説得して導入を決めた。

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(伴野蔵元) そこまで拘ったのは! 「搾り機」由来の余計な味(ゴム臭、カビ臭 つまりオフ・フレーバー)を出さないため!

このタイプだと、直接搾る部分の材質がゴムでなく、シリコンでゴム臭を抑えれる

また分解・組立もし易いので、定期的な洗浄が負担なく出来るんです。(カビ臭と袋臭対策)

また常に扇風機で風を流して菌の繁殖を抑えています。」

(せっかくいい酒を造ったのに、搾り機の新調とか板の取り換えとかでゴム臭・カビ臭で台無しになる酒が残念ながら出ています。本当に慎重にお願いしたい工程)

麹室へ。麹造りは、伴野蔵元の妹さんが担当。

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(伴野蔵元)「 麹米は「ひとごごち」50%と60%にほぼ集約しました。雄町とか山田錦とか年に一回だけ造っても技術の蓄積が難しい。 フォーマットは少ない方がいいと思っていて・・昨年まであった「ひとごごち55%」も撤廃。技術の蓄積を進めています」

(スマートだな~)

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そして(オー)な仕込蔵。 空調がしっかり効いている。 澤の花のある長野県佐久地区は冬には何度かマイナス15度まで下がるという寒冷な地だけど、徹底しているな~。

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(伴野蔵元)「来年はジャケット率を100%にしてさらに良い温度管理をいたします。」

凄いな~さらにクオリティ上げていきますか~(驚) 

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(伴野蔵元)「1年後はこう、3年後はこう、10年後はこう、いつもイメージして進めているんです。」

(これは蔵元に限らず、どんな事業にも当てはまることだな~刺激受けました)

さらに来年、再来年の良い酒を期待したい!伴野さん。熱の籠った説明ありがとうございました!

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